1)ヒトとの接触を中心に、日々の行動を数値化し、感染リスクを可視化する。
2)数値をもとにほかの人とコミュニケーションをとり、個人の意識を高め、集団全体のリスクを減らす。
3)人々の行動変動とカテゴリー別の行動特性を即時的に把握する。
4)一般的な行動指針の妥当性を、RIRによる社会調査によって検証する。
5)対象地域の感染者密度の違いに応じた、感染リスク指標WIRの最低ラインを明らかにする。
1)RIRに使われている指標は、最新の医学的・行動学的な知見を元に決めており、RIRはそうした指標の妥当性について社会的な調査をもとに検証をはかるためのものである。
2)RIRを制作するにあたり、モデルとなる対人行動の指針は、主として飛沫感染防ぐための、密閉・密集・密接のいわゆる3密防止を中心に検討している。
3)RIR目的は、ベースとなる感染リスクの算出であり、それに応じた適切な対策を提案するためのものである。指標WIRは、そのまますぐに危険率を表す数値とはならず、実際の危険率は感染防止対策や防疫システムのレベルによって変わる。
4)厚労省が示した濃厚接触者の指標はPCR検査の対象者を絞り込むためのものであり、目的が異なるためそのままではつかえない。RIRでは、濃厚接触ではなく全般的な対人感染リスクとその一週間の累積に評価の焦点をあてるために、安全性を重視しより広めの行動指標を採用している。
5)最終的な指標としての妥当性(評価や重み付け)は、指標WIRと実際の感染率との相関から検討されるものである。RIRは、むしろその相関を算出するための調査である。
6)したがって現時点で指標WIRによる安全水準に関する言及はできない。この指標は医学的・行動学的な知見から仮定されたものであり、それがどのくらい実際の社会にあてはまるかは、集積されたデーターの分析によって検討される。安全値は、そこからさかのぼって決められるのが本来だからである。
7)たとえば指標WIRには、感染リスクが急速に減る一定の閾値(クリティカルポイント)があるだろうと想定している。したがって、ただ数値をさげればよいというものではなく、指標WIRが一定の閾値よりも低ければ、確率論的に問題ない(感染率に差が出ない)という考え方で分析をおこなう。
8)指標WIRによる実際の感染リスクを示すための閾値は、対象地域の感染者密度(たとえば人口1万人あたりの感染者数)によって変動する。感染者が多い状況ではこの閾値は下がり、感染者がほとんどいない状況ではこの閾値を上げることができる。
1)指標が明確で計算がしやすく記録の持続につながる。汎用性があり平時やほかの感染症の流行時にも応用できる。
2)利便性と測定の厳密性の点でバランスがとれており、人々の行動の変化を即時的に追跡できる。
3)濃厚接触者の定義からではなく、想定される感染リスクとその一週間の累積に焦点をあてている。
4)指標WIRは実際の生活に合わせた「感染しにくい生活スタイル」と「感染しやすい生活スタイル」を示すための指標として、絶対的な評価ではなく相対的な評価を考慮している。
2)グループカテゴリーは厚労省の調査で用いたものを使っているが、このグループ分けの妥当性の再検討。
4)物の汚染による感染の考慮。手洗いやマスクなど、人への接近抑制以外の、感染防止策との関連。
4)指標WIRに応じた適切な行動基準の提案。
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)WHO公式情報特設ページ
新型コロナウイルス感染症対策本部
日本感染症学会:新型コロナウイルス感染症
コロナ専門家有志の会
人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移(都道府県別)
新型コロナウイルス国内感染の状況
Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
神戸大学 中澤港:2019-nCoVについてのメモとリンク
諏訪中央病院 玉井道裕:新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書
九州フィールドワーク研究会(野研)
北九州市立大学人類学ゼミ
北九州市立大学文学部人間関係学科「フィールドワーク実習」受講生
数値化の基準は、わかりやすく簡単に取り組めること、曖昧なルールはできるだけさけ明確化できること、いうまでもなく感染リスクをさげるために一定の効果が見込めることを考慮してつくりました。
実際のリスク評価よりも、自分の行動を可視化し感染リスクを自覚する効果を期待しています。そして、このチャレンジを続けることで、自分だけではなく、自分のまわりの人のリスクも減らせればと思っております。
この試みが現在の新型コロナウイルス感染抑制に寄与できればなによりです。さらに将来的にさまざまな感染病に対して有効となる行動指標として実用できればと願っています。
感染症をいたずらに恐れるのではなく、適切な行動変容によって、豊かな社会性を維持しながら実現する、新しい世界のあり方を考えたいと思っています
【RIRをさらに有効活用するために】
皆様から頂いたご意見をもとに今後も検討をかさねます。ウェブ版が完成したので次はアプリ版も実現したいと考えています。協力できそうかかたはぜひご連絡下さい。